建築とまちづくりと

沖縄建設新聞に若手建築士のエッセイリレーがあり、私も文章を書いてみました。
自分自身を振り返るいい機会になりました。
「建築とまちづくりと」
「あなた、建築に向いているよ」。
今思えば、大学院時代に論文を書く際にお世話になった建築家の方の一言が、私を建築の世界に誘ったのだろうと思います。
小学生の時、プラモデル等の物作りが好きで夜親が寝ていても夢中で作っていました。
高校の美術の授業で建物を描く際に、時間があっという間に過ぎる経験をすることがあり、このような仕事をしてみたいと、大学で建築を専攻することになりました。
それでも都市計画系の研究室に所属しており、建築の道かコンサルタントの道か迷っていた時に、その建築家に出会いました。
論文を書く為の調査を行っていた際の様子を見ての感想で、学生へのリップサービスだったかもしれないのですが、私の背中を押してもらいました。
今でもよいお付き合いをさせていただいている事も大変ありがたく思っています。
もう亡くなってしまいましたが、宮脇檀という私の好きな建築家がいました。
建築作品も特徴的で素晴らしいのですが、都市計画にも力を発揮し、街並みとしての景観やコミュニティの在り方を発信されていました。
学生の時に宮脇さんの書籍に出会い、目指すべき建築家像を見ることができました。
その影響もあり、大学では都市計画系の研究室に進むことになったのです。
人が住まうことは、自分達だけでなく、同時に周りの人たちと共に生きることでもあります。
住宅を一軒建てるだけでも、その周りやまち全体にも影響を及ぼします。
建てるとき、あらかじめ周りのまち並みにも配慮して設計することで、そのまちも好きになってくるでしょうし、ますます自分の住宅に対しても愛着がわくと思います。
まち並みに配慮した住宅を見た住民が例え一人だったとしても、「まちのために自分の家でも何かやろう」と考えて実行していただけるなら、まちはもっとすてきになっていくのではないでしょうか。
建築の設計者として、そんな家づくり・まちづくりを目指していきたいと考えています。